舞台の上で、人間の観客を喜ばせるためだけに存在するパペット。ただしこのパペットたちに紐はついていない。パペットを操る者もいない。パペットを動かしているのは、彼らの目の中の魔法。不思議な石の目に引き込まれた観客は、最初その魔力に次に彼らの演技に魅了される。ある時、一体のパペットが自分を人間だと思い始める。そこから始まる喜びはやがて大きな悲劇を呼ぶのだった。
国際的なマンガ賞に応募したのは初めてなのに受賞できて、大喜びしています。 賞を取れるとは思っていなかったので、嬉しい驚きでした。学校の期末テストが終わった後応募作を描き始めて、仕上げるのに1ヶ月かかりました。家族や友達の助けが なかったら受賞はなかったと思います。
私は10歳の頃からマンガを描き始めました。私のような人たちが私を見てマンガを頑張り続ける気持ちを持ってくれればと思います。
私の夢は絵を通して自分の作る物語を表現することです。今回の受賞がこの 夢をかなえる扉を開けてくれることを願っています。このような機会を与えてくれた講談社に感謝します!
カラー、モノクロとも卓抜した画力を持つ秀作。わずかに出てくる人間のシーン以外は、感情も言葉も持たないパペット達のやりとりで物語は進展する。そして本来、感情を持たないはずのパペット達が感情を持ち始めると、無機質な顔に見事に表情が表れてくる。
彼らの心の動きを、会話を伴わない動きと表情だけで表現する技法は見事である。 パペット達の行動を通して描かれたこのラブストーリーは、虐げられた者たちが権力者に向かって立ち向かっていくさまを描いている一面も持っており、わずか17歳でこういったストーリー構成を作れる作者の力量には驚きを覚えました。