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「FAIRY TALE」

余孟霖(Meng-Lin Yu) 台湾

“黒い雪”が何かを奪う世界。ひょんなことから出会った、名前を忘れた少年、顔をなくした少女、形をなくした犬、飛び方を忘れた小鳥。いま、2人と2匹の“自分”を取り戻す旅が始まる!!

天井も突き破りそうなくらいうれしい〜。本当です。歯磨きをしていても、うれしくてうれしくて笑ってしまいます。でもなんとか自分を抑えないと。受賞の言葉を書かなきゃいけませんしね〜。なんだかメチャクチャですけどお許しを。僕は初めて感動の喜びがどんなものかかみしめているのです。小さい頃から日本のアニメや漫画を見て育った僕にとって、日本は夢の楽園であり、自分の作品が日本に現れる日を毎日夢見ていました。賞をいただき認めていただいたことは、この上ない光栄です。でもすごくうれしいけど、これからもっといい作品を描いていけるのか恐くもあります。今回は講談社のこの賞に大きな勇気をもらいました。僕をずっとずっと信じて応援してくれた家族と友人に感謝し、そして僕を励ましてくれた講談社の皆さんにも感謝します。ありがとうございました!

おとぎ話のような世界を、独特なタッチと色彩で魅せる物語。『モーニング・ツー』掲載時は、編成の都合上すべてカラーでお見せできませんでしたが、抑え目の色調で描かれた人物・建物・空などはストーリーと非常にマッチしており、“大事なものを失った世界“の雰囲気をうまく表現できていたと思います。その中では赤色が印象的に使われており、ページにメリハリを与えていた点も付け加えておきます。また、後半部分で場面の転換と同時に色彩の大胆なチェンジがある構成も見事。世界が変わった場面が強く印象に残り、絵で魅せる能力が非常に高いと感じました。ストーリーの方では、前半部分がやや難解な印象を与えるものの、謎めいた老人のセリフや登場人物の描写に興味を惹かれ、グングン物語に引き込まれていきました。そして、老人が意中の人物と再会を果たすところから、日本人に馴染みのあるあの有名キャラの名前が出てくるラストまでは、温かな幸福感と驚きを与えてもらいました。ただ、コマ割りが細かいことに加えてセリフが多いので、窮屈な印象を与えてしまったのは残念。絵で魅せる能力があるだけに、コマ割りにメリハリを付け、セリフを洗練すれば、更に良くなると思いました。とは言っても、最後まで一気に読まされて、ラストの驚きと心地よい読後感を感じたのも事実。その総合力の高さからこの作品を大賞とさせていただきました。

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