今回で選考委員を卒業する山田です。『紅筆を持った悪魔』のような勢いのある作品もあり、全体的に楽しませてもらいました。ただし、『インペリアル』のように極端にページ数が多いと読むのが大変。掲載を狙って、コンパクトなページ数にしたほうがよいかも。ストーリーもベタなものが多かったので、もっと意外性や目新しさがほしかったっすね。最終選考前に原稿を読んでいる時、何度も既視感を覚えてしまい、思わずマトリックスの世界に迷いこんだのかと思いやした(笑)。あとは毒やアクの強さがあれば文句ありやせん。
前回より楽しく読めた作品が多く、レベルは総じて高かったです。青年誌ならではというか、大人っぽい漫画が目立ちましたね。ただ、主人公に少し魅力が足りないかなという作品が多い感じがしました。誰が主人公かがわからない作品や、主人公の性格が一貫していない作品も見受けられました。キャラクターが魅力的で作者によって命が吹き込まれていれば話は勝手に転がっていくはずです。話がわかりにくい作品が多かった気も。もっと読み手を意識したわかりやすさがあると嬉しかったです。
いつものことながら、選考会で両先生と意見を交わしていくうちに各作品に対して新たな目が開かれていきます。今回は特に強くそれを感じました。でも、最終的にものを言ったのは、やはり人間描写。そこの甘さで大賞を逃した作品がありました。でも、近々リベンジしてくるでしょう。収穫の大きい回になるのでは。