第3回:うえやまとち/『クッキングパパ』

はじめに

第1回にかわぐちかいじさん、第2回には弘兼憲史さんが登場し、大好評を博しているインタビューシリーズ「モーニング 漫画技術論」。第3回に登場していただくのは、今年ついに連載25周年を迎えた、モーニングを代表する長寿作品、『クッキングパパ』のうえやまとちさんです。

「福岡という地方にいながら、週刊連載という漫画の檜舞台で描き続けるには、よほど、東京で描かれる主流の漫画とは違う持ち味で勝負をしなければならなかったんです。敵とバトルをしない、大きな事件を起こさない、という“ほのぼの”味で漫画を描いたのは、主流の漫画と違う、ここにしかないものを求め続けての結果でもあるのかもしれません」

「うんと若い頃には、おもしろいものさえ描ければ売れなくたって構わないとも思っていたけど、そのうちに、そもそもおもしろい漫画を描き続ける時間を確保するためには、まずは売れて生活を安定させなければならないとわかりました。そのあたりからなんじゃないのかな、“わかりやすく読んでもらう”という大前提にも力を入れはじめたのは……」

“ほのぼの”で“わかりやすい”、そんな『クッキングパパ』の魅力が、いかに研ぎ澄まされたものであるのか。今回はその秘密に迫ります。