第1回:かわぐちかいじ/「沈黙の艦隊」「ジパング」

はじめに

毎年、数多くの作品と作家が世に出ていく漫画の世界で生き抜くのは並大抵のことではない。この「成功は例外」とも言える漫画の世界では、その競争の最前線でサバイバルしてきた人にしか語れない「技術」があるのではないか——この連載企画では、そうした疑問から、「絵、ストーリー、コマ割り、仕事論」について、モーニングの現役漫画家のみなさんに質問をしていきます。

第一回目に登場していただくのは、『沈黙の艦隊』や『ジパング』などで知られ、現在「モーニング」で『僕はビートルズ』を連載中のかわぐちかいじさんです。

「漫画の世界にいる人たちというのは、たとえばアイディアをコマ割りで表現した“ネーム”という単語のやりとりに代表されるように、“漫画家と編集者の間における専門用語の交流”に留まっていて、外の世界に自分たちの技術を説明してはこなかった」

「それぞれの漫画家が、何十年間もそれで生きてきた伝家の宝刀のようなものは、その人だけのものとして使われてきただけだった。そういう技術をいろいろな現役漫画家に聞いて、言語化して残しておくのはおもしろいことかもしれない」

今回の取材の趣旨をお伝えした際に、かわぐちさんがおっしゃったこれらの言葉は、本企画の目的そのものでもあります。