2次選考会の議事録をノーカット完全収録!

ちばてつや賞一般部門の2次選考は、部内選考会です。
モーニング編集部員全員で議論を行います。
その場で、自分の気に入った作品を最も熱を込めて説明した編集部員が、その新人作家の担当編集となります。
基本的に編集部全員の採点で上位となった作品が、最終選考へと進みます。

 

『BUS STOP』林広大(神奈川県・27歳)

【ストーリー】ため息を吐く癖のあるマリ。そんな彼女に苛立つミイ。お金で友人を繋ぎ止めるナスビ。ある少年の叫びが、そんな彼らの日常を変える。

●編集部員・A
人物の造形にクセがありすぎて、そこは評価しづらいんですけど……。ただ、描きたいことはすごく伝わってきて、切実な感じを受けたので、この作者に興味がわきました。自分自身、幼い頃、無意識にやたらとため息をつく子供だったので、物語に感情移入しすぎてしまったっていうのもあります(笑)
●編集部員・B
確かに絵柄が……個性的なのはいいけど、ちょっと雑に見えるんですよね。
●事務局長・都丸
一番面白いと思われるこの作品1本を2次選考にあげることになったんですが、じつはこの作者の方は3本も今回、応募されているんですよね。
●編集部員・C
応募作の3本とも読ませていただいたんですが、Aさんが言われるように、描きたいものが、まだまだこの作者にはありそうですね。ただ、3本とも絵柄が違ったので、まだ自分の絵というものが定まってないかもしれないですね。今、かなりクセがある絵ばかり描かれているので、そこを意識的に直していかないと、この絵のままだとあまりにも読みづらい。構成は非常に映画的で、そこはこの作者の強い武器だと思いました。
 

『無題』原正(東京都・31歳)

【ストーリー】盗賊として追われる身の人助は、刀の「受け」の名人だった。そんな彼がたどり着いた先の村では、阿片が出回っていた。友人の体がぼろぼろになるまで阿片を売りつけた九頭組を相手に、闘おうとしていた勝次。その二人が出会い……。

●編集部員・D
作者の発想がちゃんとキャラクターに反映されていて面白いなと思いました。ただ、ストーリーはベタな感じですね。この作者が一点突破の力があるのか、ちょっとそこがわからなかった。まだ雑誌に載るレベルのものとは言い難いですかね。
●編集部員・E
もっと受けの具体的な技が欲しかったかなあ。せっかくの山場に、何でもアリな技っていうのは逃げと感じてしまう。人物の描きわけも、もっと出来ていると、なおいいですね。
●編集部員・A
主人公のスイッチが入ったときと、切れたときの差、過去との対比で、ドラマが生まれたはずなのに、そこを膨らませないと。物語の強弱のつけ方、盛り上げ方を、他の漫画作品を読むのでもいいし、身につけていってほしい。
●編集部員・B
年齢もそこそこで、このレベルだとちょっと難しいのかなあとは思ってます。時代劇じゃないものを描いたらこの作者がどう化けるか、そこに期待したい。今回、時代劇モノがあんまりなかったので、他と比べづらいんですが…これまでの新人賞に応募してきた時代劇モノよりは、レベルが高いんじゃないでしょうか。
 

『宝屋さんの秘密』金崎くーこ(和歌山県・27歳)

【ストーリー】美しすぎる「宝屋」の宝石。亭主は妻を愛しすぎるがゆえに他人に妻を差し出す。その倒錯した愛の結晶こそが、宝石の美しさの秘密だった。

●編集部員・F
第56回のちば賞で、熊の漫画『熊のおくさん』を描いて入賞して、そこから僕が担当につかせていただいてるんですけど。いつもファンタジーなど少し子供っぽい内容の作品が多いので、大人の寓話みたいなものはどうだろうと作者と相談して、出来たのが今回のこの作品なんですが……。
●編集部員・G
尿結石がキレイな宝石になる、というのがちょっとエロくて良かったな(笑)
●編集部員・H
以前に投稿されてきたときの絵柄よりもずいぶん上達されてキレイに描かれていて、その点においても評価は高いです。尿結石の話なんだけど、だからといってそれが汚い感じでなくキレイな印象を受けたので、女性受けも良さそう。担当のFさんが言うように、「大人の寓話」としてこういう不思議なお話も一つくらい雑誌に載っていても、いいかもなあと思いました。
●編集部員・I
絵は上手くなってるんだろうなあとは思うんです。ただ、お話はひねりがなさすぎた。不思議な夫婦がいて、そこに主人公を情夫として誘う間男的な男がやってくる。そこをもっと膨らませても面白かったかなあ。今のままだと、宝石を出すということのインパクトだけのお話になってしまっている。それこそページ数も14ページくらいだったら、スッと読めたと思いますが。もう少しまとめて短く読ませるか、長くするならアイディアを2、3個増やすか。担当者と相談して、今後も作品を創っていってほしい。
●編集部員・J
主線のタッチも時代背景も、作者の趣味だとは思うんだけど、昭和一ケタ……あるいは、大正時代を意識して描かれてるよね?
●編集部員・F
そうですね。
●編集部員・J
昔懐かしいタッチを真似して、昔懐かしい景色を描いてるから、昔の漫画なんじゃないかっていうふうに読めちゃうんだよね。このタッチでやるなら、ハマりすぎてるから、ちょっとそこを変えてみるのもアリかな、と。たとえばこの作品でも、設定を現代に置き換えたり外国にしてみたりするだけで、だいぶ印象が変わるんじゃないかな。作者が好きなもので固めるんじゃなくて、異物をあえて入れてみたらいいんじゃないですかね。
 

『隣の力さん』阿部元一(埼玉県・23歳)

【ストーリー】映画専門学校に通う古田が映画館で出会った男は、なんと映画界のスーパースター・竹内力にそっくりで……!? 加速してゆく豪快派コメディ!!

●編集部員・H
絵は物凄くやぼったいなあと思って読み進めていたんですが、それを差し引いても、ストーリーはなかなか読みごたえがあってよかったです。一コマ一コマ“絵”を描こうとしている姿勢も含めて、高く評価してます。
●編集部員・K
今回の応募作で、男らしい主人公が少なかったんですが、そんな中でこの作品は数少ないそういう男性が主人公の漫画で、もうそれだけで評価を高くつけたいな、と(笑)。男性が描く、男くさい漫画が昨今、中々ないので……。
●編集部員・L
絵にクセがあって、そこが読みづらいと感じてしまいましたね。でも、ラストは思わず感動しちゃって……。
●編集部員・M
そうなんだ。僕は、最後まで話に無理があるなあと感じたけどなあ。
●編集部員・I
この作者は、いちばん最初にプロットを作ってから、漫画を描いてるんですかね? 最初に決めたであろう方向に従おう、従おうとしすぎて、せっかく面白くなりそうなポイントを棒にふってしまっている。状況説明が多いんですよね。担当がついてその辺の話の持っていき方を相談しながら話を創っていくとまた違うのかな、と思います。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『バックトゥザ農業』安里千春(沖縄県・28歳)

●編集部員・F
農業ノウハウ漫画ってネタが新鮮でよかった。倒置法を駆使したナレーションなんかも、妙なテンポで読めて面白かったですね(笑)。ストーリーも急に過去に戻っちゃったりとか、意識的に変なことをやろうとしてこうなったんだと思うんですけど。この作者が「普通」に描いたところも是非見てみたいですね。
●編集部員・E
このヘンテコな所作がいいんじゃないですかね。キャラが馬鹿っぽくて、読んでてついつい笑っちゃう(笑)。パロディをいくつも混ぜ合わせてるので、この作品をこのままのストーリーでやるのは商業的には無理ですけどね。
●編集部員・N
この作品、ごちゃごちゃしてて、最後までわかりにくかったんですけど面白く読めたんですよね。「害虫害虫」っていう名前とかも、もう何かの間違いなんじゃないかなって思っちゃったくらい斬新で(笑)。農業モノでこのストーリーをやる必要があるのかまったくわからないまま突進していく感じとかも、かなり新鮮でした。タイトルの『バックトゥザ農業』っていうのも英語として間違ってるんですけど、とにかく作者の勢いに圧倒されて……(笑)。そういう細かい間違いも、アリなんじゃないかと思わせて読み切らせてしまうこの作者には何かある気がしました。
●編集部員・J
素人がどたばたコントを即席で考えたネタだったら、わかるんだけど(笑)。原稿を描くうちに、「ちょっとこれ変じゃないか」と気付かなかったのがすごい!
●編集部員・B
この作品、すっごい面白くて。読んでてまったく意味がわからないのに面白いって、それだけでもうすごいことですよね。Nさんの言われた「害虫害虫」のくだりなんかも、まさにそうで……でも、頭のほうでちゃんと農業のお話をやろうとしていたところとかを見ると、やりたいことがたくさんある方なんだな、と感じたので、いろんな作品を描いていってほしい。可能性を感じます。
●編集部員・O
普通、無口な主人公を配置していたら、絶対に相方の博士はツッコミだと思うんですけど、この作品だと博士がボケなんですよね。進行役が誰もいなくて、だから読みづらいんですけど(笑)。ナレーションで何とか乗り切ろうとしている。
●編集部員・F
笑い飯みたい(笑)。鬼才ですね。
●編集部員・E
次もそれを作者がやれるのかわかりませんが、この一点突破力はすごい。とにかくこの作品はそこを評価すべきかな(笑)
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『Mr.Queen』車戸亮太(滋賀県・21歳)

●編集部員・P
この方、僕が担当させていただいてまして。第30回のMANGA OPENにも『フラカンと太陽の子』という漫画を応募されて入賞されたんですけど。
●編集部員・J
ああ、あの作者なんですね! 毎回、作品ごとにイメージが全然違いますね。
●事務局長・都丸
毎回かなり成長しているな、と感じますね。
●編集部員・Q
僕、この作品すごく面白かったです。キャラクターもしっかり作れているし、お話のテンポも中々いい。ただ、敢えて苦言を呈するならば、最後の終わり方ですね。「愛の讃歌」で締めくくってるんですけど、歌詞以上のものがこの作者の中から出てこなかったのかな、という印象を受けて残念でした。そこを突き詰めて台詞でしっかり描けていれば、もっとキャラクターに感情移入できたかな、と。
●事務局長・都丸
僕もこの作者は、いつもラストが少し弱いなと思っていて。まとめるとき、どうまとめようかというプランがないまま、ランディングさせちゃってるなという印象があります。それで、そこまで評価を高くつけませんでした。ただ、僕個人として、若い人が、ちょっと背伸びして描いている感じが好きなので、今後に期待しています。
●編集部員・A
この間のMANGA OPENの作品よりも随分うまくなっていて、そこを高く評価してます。キャラ自体はでこぼこコンビという、ちょっとテンプレなんですけど、二人のやり取りがとにかく可愛らしくて、好感が持てました。ただ、最後、「愛の讃歌」を歌うシーンで、キャラクターの表情でもっとグッとこさせられたんじゃないかな、と思って、そこが少し残念でした。
●編集部員・J
前の応募作のインカの話もそうなんですが、この作者の頭の中ではすごく映画的な絵やシーンが広がっているんだと思うんです。ただ、そこにまだ手が追いついていない。今後に期待したいですね。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『ケルトの庭』mao(埼玉県・39歳)

●編集部員・R
絵が本当に、まだまだなんですよね。だから、相当努力しないと漫画家にはなれないと思います。だけど、この話はラストの盛り上がりを含め、とても面白いと思いました。先のことは保証できないですが、この話はとにかく面白い。そこだけは評価したい。惜しいことに、絵が素朴すぎるんですよねえ……。
●モーニング編集長・島田
絵は下手だけど、この作者、見せ方がすごいうまいんだよね。ずっと描いてきてこの絵だとちょっと困っちゃうんだけど。もしあまり描いたことなくてコレなんだったら、伸び代はすごくあるんだから、絵の評価はさておき、最終まで残してもいいんじゃないかな。絵は、練習してどうにかなるものだから。
●事務局長・都丸
台詞も、とてもグッとくるいい台詞が多いんですよね。ドラマをしっかりと構築しようとする姿勢もいいし、台詞の力がある点は評価に値するかと。
●編集部員・E
そうなんですよね。ストーリーだけなら、ダントツでよく出来ているんですよ。絵はうまくはないですが、温かみはありますし。
●編集部員・H
他の方が言われるように、絵は粗いかもしれないですが、すごく取材して描いてる感じがします。取材してまで描こうという意欲がある新人はなかなかいない。この作者も、かなり今後が期待できると私は思います。
 

『無題』杉崎瑛梨(東京都・24歳)

【ストーリー】人気急上昇中のインディーズバンド「ボトムス」のギタリスト・啓。バンドの人気のためには、見た目も大切。精神的に追い詰められた彼は、自分の体形を気にして食べては吐くという無謀なダイエットを繰り返し……。

●編集部員・C
見たことがあるような話だなあという印象でした。新しい試みが感じられない。絵は描き慣れててうまいなあと思ったんですが。
●編集部員・E
主人公は何故、自分が吐いたものを可燃ゴミで捨ててたのかな? トイレで吐けばいいんじゃないんですか?
●編集部員・L
まあそれは、物語の都合上、ゴミとして外に捨てないと誰かに見つけてもらえなくて話が動かないですからね……。あと、大量に吐きすぎてトイレが詰まっちゃうから、というのもあるんでしょうけど。作者の都合でキャラが動いてるように見えてしまうので、その辺りのリアルさがもっと欲しかった。
●編集部員・C
主人公の切実さが伝わってこないんですよね。読みやすい話ではあるんです。でも、もっと深いところまで突っ込んで心理描写をしないと、うすっぺらい話になってしまう。吐いても吐いても、それでも体重が減らなくなってきて、この先、いったいいつまで吐き続ければいいんだっていう不安を、主人公の表情なり絵でも見せてほしい。
●編集部員・A
この作者にしか描けない部分をもっともっと出していただけたらな、と思います。絵が達者なだけに、惜しいですね。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『飛ばない教室』仲川麻子(埼玉県・26歳)

●編集部員・D
間の取り方もいいし、とにかく叙情が出ていて面白かったです。読んでいて切ない感情になる物語が個人的には好きなので、高く評価しています。
●編集部員・S
新人の漫画を、わかりやすくて面白い、という状態にまで持っていくのは中々大変なんですが、この人はすでにもうその状態にまで自分で持っていけている人だと思いましたね。このページ数で、気持ちの絶妙な移り変わりを読者にわかりやすいように描かれていて、逸材だと思います。
●編集部員・T
僕はこの作品、あまり評価してないんですけど。少女漫画雑誌の新人賞に、こういう話は何百と送られてくるんだろうな、と。学校とか、パンとか、振られた男がまたもう一回やってくる、というのはもう、少女漫画の世界でよくあるパターンじゃないですか。もうちょっと新しい要素を盛り込んで欲しかったなあ。
●編集部員・U
人物や背景の描き方、空間がすごく印象に残るなあ、と。どんなシチュエーションで登場人物たちが話しているのか、というのがスッと読み手に入ってくるので、そこを高く評価してます。確かに話は単純で王道なんですが、作品自体の雰囲気は絶妙に王道から外してあるんですよね。他の話ももっと描けそうだし、可能性を感じます。
●編集部員・J
私も今回この作品が一番面白かったんですけど…この作者、省略が抜群にうまくて、だからこの内容をこのページ数でまとめられていると思うんですね。3回読むと3回とも、この女の子の心情が読むたびに変わるんですよ。それって、多義性や多様性があるんじゃないかと。もし作者が意識してそれをやっているのだとしたら、すごい才能だと思います。それに、この物語は王道でも何でもなくて、好きな男がダメだったから、言い寄られた男でまあいいか、という妥協と打算の話だと私は受け取りました。その妥協と打算を「青春」の中にきっちり収めて、何となくいい読後感に仕上げているのが、とても良かった。
 

『ヘルシング上等!!』神上夏輝(栃木県・23歳)

【ストーリー】暴走族の特攻隊長だった篠原アキが送り込まれた先は、少年院や刑務所でも手に負えない少年達が辿り着く最終施設「森の子学院」。そこで彼を待ち受けていたのは「新歓パーティー」という名の手荒い洗礼だった。

●編集部員・D
私は、最後までまとめた作者の頑張りに心を打たれました。
●編集部員・N
ページ数が長い割に読みやすかったですね。ただ、キャラの作り込みに遠慮があり個人的には残念でした。
●編集部員・D
確かに、ヤンキーを描くという点で、若干迫力不足は感じました。
●編集部員・B
絵柄と描きたい内容にズレがあるから、冒頭で彼らの世界に入り込めないんですよね。「男社会」や「不良」を描く上で何か違和感を抱いてしまいました。
●編集部員・O
キメ顔が優しくて、不良らしさをあまり感じないんですよね。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『ディヴィッドの肖像』雨瀬シオリ(東京都・21歳)

●編集部員・M
伸び代を感じる絵柄でとても好感が持てますね。女の子もかわいいですし。ストーリーは予想通りの展開になってしまったのは残念でしたが、普通に読んでいて気持ちがよかったですし、セリフ回しも面白く目をひきました。
●編集部員・V
僕は元ネタが何なのか拾えなかったから、何時代なのかわからなくて、物語に入っていきづらかったです。
●編集部員・J
これ、山下中将のシンガポール陥落の時代じゃないかな。
●編集部員・L
扱っているものが「戦争」ならばもっと物語を掘り下げてもいいのではと感じました。単純に、男二人と女の子のやりとりで終わってるのは、絵が魅力的な分もったいないですよね。
●編集部員・B
ここまでドラマを作れるならば、ラストは絵で魅せて締めなくてもよかったんじゃないかな。
●編集部員・J
こういうネタって21世紀を生きる日本人にとって身近な話じゃないですよね。それでも読み手に受け入れてもらうための「力技」みたいなものが求められると思うんだけど、残念ながらこの原稿からは感じなかったかな。
●編集部員・P
絵は上手いけれど、表情とか、ちょっとオーバーな所がありますよね。そこで感情がついていけなくなる箇所がありました。
●編集部員・K
この作者の描く人物絵は目がすべるんですよね。背景に人物が溶け込みすぎて。どの人物もあまり印象に残らない。女の子の褐色の肌の表現をするためにスクリーントーンが貼ってるから、それで何とか人物の識別はできるけれども。もしなかったら読み手は若干混乱するかもしれないですね。
●編集部員・E
ただ、短編のまとめかたは今回の応募作の中で一番上手いですよ。作風と絵が女性向けなので今のモーニング読者層とのズレはありますが、才能はあるんじゃないかな。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『はらペコマチ』伊藤寿規(東京都・31歳)

●編集部員・R
一番面白かったですね。漫画を描いたことがないというのが信じられないほどの力量で、背景含めて雰囲気作りも上手ですよね。ラストがちょっとわかりにくかったけれど、最後まで楽しく読めたし、この作品自体非常に評価しています。
●編集部員・C
私は、個人的な好みになってしまうのですが、絵が苦手でした。ストーリーも既視感を感じました。
●編集部員・W
いや、僕は面白かったです。設定も上手だし、キャラクターもたっていた。単純にとてもよく出来ていましたよね。
●編集部員・O
細かいツッコミをし出したらきりがないんですが、それを忘れるくらいポジティブで前向きなパワーが原稿から伝わってきました。事件の起こし方が巧みではなかったんですが、そこは打ち合わせで指摘すればすぐ直ると思いますし、絵の雰囲気もあるしぜひ担当を希望します。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『のぞみオタメリカン』若菜(埼玉県・25歳)

●編集部員・M
ディビットがバカなやつだな〜と微笑ましく、ツンとしている女の子の心が徐々にほぐれているのが伝わり、原稿から読み手を楽しませようとしている意思を感じとても好印象でした。
●編集部員・B
う〜ん、敵役のちょっと太った女の子の描き方が甘かったかな。作者の優しさみたいなものを感じて物足りない。「いじめ」というテーマや「ギャグ」を扱っているわりに全体的にゆるさが目立ってしまっていたかな。
●編集部員・X
そうなんだよね。アイディアは入れ込んでいるけど、全体的に詰めが甘い。
●編集部員・K
それと話がテンプレで、最後まで読み終わったときに「おお!」という驚きはなかったかな。
●編集部員・E
ただ、「黒人のフォースを思い知れ〜!!」というギャグに私は何度も笑ってしまいましたし、突き抜けたギャグのパワーは評価出来ますね。
 

『名も無き僕ら』黄河蛙(大阪府・27歳)

【ストーリー】マンガ専門学校で講師をする久米。やる気のない生徒達、それでもいいという学校の経営方針に失望するも、本気で掲載を目指す田村に心動かされ二人三脚で作品作りに取り組むのだが……。

●編集部員・Y
私が担当です。遠方にお住まいなので、電話で打ち合わせしています。
●編集部員・N
新人賞には必ずある「モラトリアムもの」なんですが、物語の展開等疑問はいくつか残るものの、最後まで描き上げたという姿勢は好印象でした。ただネームが多いのは気になりますね。
●編集部員・E
演出として原稿を破ったり貼ったりしているんだけれど、そこに説得性がないから空騒ぎで終わってしまっているんだよね。
●編集部員・U
物語の展開が読めてしまうので、その間の感情のやり取りを一歩ひいた目で見てしまうんですよね。それとキャラクターの絵にもっと特徴をつけた方がいいかと思いました。今のままでは読み終えたときに印象に残りづらいです。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『アングリーアングラー』亘一茂(神奈川県・37歳)

●編集部員・K
釣りをちゃんと知っている人が描いているのが読んでいてわかりますよね。それと大人の男性が興味を持ついくつかの趣味のうちの一つを選んでいるところも好印象です。話はつっこみどころが満載なんですが、細部もしっかり描けていてリアリティがありました。
●編集部員・I
僕はこの作品からは同時代性を感じなかったのがマイナスと感じました。いろいろ気を配っていることは伺えるのですが、ちょっと無理しているのかなと。
●モーニング編集長・島田
ラストはもっと工夫してほしかったよな。
●編集部員・Z
今回の応募作の中では、一番面白いキャラクターだったと思います。会話からは笑いのセンスも感じます。ただ、主人公以外のキャラクターの顔も、もう少ししっかり描いてほしいですね。これからどんどん作品を生み出してもらって、作者の作る面白いキャラで笑ったり悲しんだりさせてほしいなと。期待しています。
●編集部員・あ
「釣り」だけをテーマにしてしまうと、展開としては「何が釣れるのか」に絞られてしまうのですが、この作品はその周辺にもスポットをあてているので好感を持てますよね。
●編集部員・K
人間には4つのコミュニティがあるらしいんですよ。「地元」「社会」「学校」「友達」……この作品はその内の一つを取り上げた作りになっているんですよね。自分もそのコミュニティに入りたいと読み手に思わせることができている。主人公以外のキャラクターも好感を持てますし、サービス精神がありますよね。
 

作品の詳細と選考結果はこちら!『あえぎ声』市丸いろは(東京都・31歳)

●編集部員・L
キャラクターの表情が豊かで、本当にこういう子供達がいそうだなと感じました。
●編集部員・C
女性が描く男の人ってダンディだったりかっこよかったりするのですが、こんなに気持ちの悪いおじさんが描けるというのは、ある意味好印象でした。
●編集部員・あ
色んな意味で一番印象に残る作品でしたね。娘がいるから余計感情移入して読んだというのはあるのですが、1つ1つのエピソードが印象に残りますし、次に何を描くのか気になる方ですね。
●編集部員・い
ただ、僕は嫌悪感が先に来てしまいました。それとネームが読みづらかったです。
●編集部員・J
評価は分かれるかもね。けど、人間の恥部を嫌な感じではなく見せられる人かも。独自の世界観を持っている人だと思うから可能性は感じるよね。
 

『悪酔いの宝石』萱島雄太(神奈川県・28歳)

【ストーリー】道で酔いつぶれる女を介抱するふりをして、財布を盗もうとする掏摸(すり)師。その刹那、女は嘔吐するが、口から吐き出されたものは宝石だった……!

●編集部員・う
基本的に、吐いたり出したりする演出は好きではないのですが、冒頭に掏摸をするという設定があるので抵抗感がなかったんですよね。
●編集部員・い
僕が持ち込みを受けました。前回のMANGA OPENでは一次落ちしているのですが、『世にも奇妙な物語』のような不思議な作品を描いていきたいという積極的な姿勢や情熱を感じ、一緒に作品を作っていきたいと思っています。
●編集部員・L
気持ちの良い話ではないけれどラストの展開には少し驚かされました。ただ、絵の印象が薄いので、もっと個性あるものに意識的に変えていった方がいいのではと思いました。
●編集部員・う
話は、まとまっているようで腑に落ちない部分もあるけれど、怖さを肌で感じた点は得難いものがあると私は思います。
●編集部員・Y
ただ、やはり、何を作者が描きたかったのか明確に読み取ることが出来なかったのは残念でした。
 

『魔女の扉』うき田愛(北海道・34歳)

【ストーリー】天空に穴を開け破壊をくり返す「魔女」を鎮めるため、捧げられる「チュービー」。「魔女」により両親を失ったアサヒの育てたチュービー「ナオミ」が20人目の生け贄に選ばれるのだが……。

●編集部員・W
構成が分かりづらかったけど、面白かったです。ちゃんとネタを仕込んでいて、それをバラしたときに驚きました。
●編集部員・J
話はちゃんとしていましたよね。
●編集部員・Z
う〜ん、僕はSFとして無理があったような気はするけど……。
●編集部員・L
絵が見づらいというか、全体的に読みづらかったですよね。
●編集部員・E
ただ背景は上手いですよ。物語はわかったような、わからないような話で、ドラマ性はあまり感じられなかったかな。
 

『モラトリ』小島由香(神奈川県・24歳)

【ストーリー】文系サークルの就職率低下に業を煮やした大学は「モラトリアム取締委員会」――通称「モラ取」を発足する。取り押さえられるサークルが続出する中、モラ取が新たに標的にしたサークルのメンバーに課したのは、“映画を撮って映画会社に見せてくること”だった!

●編集部員・A
私が担当です。前回のちば賞のとき、持ち込みにいらっしゃった方です。キャラが一歩前に進もうとするときの、何とも言えない良い表情を描くのが上手く、それは稀有な才能だと感じています。時間が足りなく、練り込み不足な点が否めないのですが、ぜひ皆さんのご意見を次回作に生かしたく、色々ご指摘いただければと思います。
●編集部員・い
映画好きにはたまらない内容だと思いました。そして、自分のことかなと思うポイントがあって僕は面白かったです。
●編集部員・E
まとまってはいないけれど主張は感じますよね。
●編集部員・L
確かに情熱は読み取れますし、キャラの顔も個性的で覚えやすいですよね。
●編集部員・あ
16Pとは思えないくらい展開があり、絞り込む能力や整理する力があるのではと感じました。
●編集部員・J
コマ割りをもっと整理した方がいいんじゃないかな。今回は斜めゴマとか多くて、演出過多で読みづらくなってしまってる。スタンダードな男性向け漫画のコマ割りを参考にしてみては。絵のアクが強い分、それくらいすっきりさせた方が読みやすくなるかもね。

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