特別講師
鏡リュウジ カリスマ占星術研究家

ちょうど今回のテーマとも重なるし、僕自身の「悩み」についてもお話しします。

まさに16歳のときから抱えるようになった悩みです。占いにどんどんのめり込んでいった16歳のとき、ある重大なことに気づいたんですよ。

つまり、「占いって、結局は迷信じゃん!」ってことに気がついた。幸か不幸か、その厳然たる事実に突き当たった。

子どものころ、僕は魔法使いに憧れていました。おとぎ話やアニメの世界に出てくる魔法使いを見て、純粋に胸を躍らせていた。

でも、10歳をすぎるころには「さすがに魔法使いになるのは無理かな?」とわかってくる。そして、「占い師だったら大丈夫かもしれないぞ」と考えるようになる。

実際、占星術のイロハを勉強して自分で占ってみると、なるほどよく当たる。少なくとも、当たったとしかいいようのない結果、自分でもビックリするような結果が次々と出てくる。

そうやって盛り上がっていきながらも、16歳のときに「それでも星の動きがその人に影響するはずがない」という、「クール脳」での確信が生まれるんです。「ウェット脳」では占いの力を信じたい自分がいるし、目に見える結果もたくさん出ているのにね。

ここから、占いを否定する「科学的な自分」と、占いを認める「科学的じゃない自分」の2人が僕の心の中に同居して、時に争うようになっていきました。

心の中に正反対の2人が同居する状況は、ものすごく居心地が悪いものです。苦しいし、どちらか一方を捨ててしまいたいと思うこともありました。

そのとき出会ったのが、心理学者のカール・グスタフ・ユングです。

みんなも「コンプレックス」という言葉は知ってるよね? あのコンプレックスという概念を広く知らしめたのが、このユングという心理学者です。

彼も心理学者として「科学的な自分」と「科学的じゃない自分」のせめぎ合いに悩んで、どうすれば折り合いをつけられるのか、追究していった人でした。だからユング心理学は神話や占星術と関係が深いし、ユングのお嬢さんなんかは、まさに占星術研究家だったりします。

ちょうど僕の住んでいた京都は、ユング心理学の大家として知られる河合隼雄先生のお膝元ということもあって、書店にはたくさんのユング心理学の専門書が並んでいました。もう、どんどん読み漁りましたね。

そして僕は、「科学的な自分」と「科学的じゃない自分」のどちらも否定せず、そして疑似科学のようにごちゃまぜにせず、両者の間に橋を架けていくことに自分の進むべき道を発見した、という感じなんです。

特別講義6時限目 「クールな科学」と「ウェットな占い」って? より抜粋

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かがみ・りゅうじ.。1968年、京都府に生まれる。心理占星術研究家・翻訳家。英国占星術協会正会員。日本トランスパーソナル学会理事。国際基督教大学大学院修士課程修了、同大学院博士課程前期修了。高校生時代、早くも天才占星術師としてマスコミに注目され、以来、学問との二足のわらじを履きながら占星術研究家として独自の理論を構築してきた。心理学的な見地から人の性格に深くアプローチする占術理論は、「○○座だからこう」と決めつけるようなステレオタイプの星占いとは一線を画している。
鏡リュウジ公式サイト / 鏡リュウジのRyuz-café

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