

僕に言わせれば、日本人で本当に英語が必要とされる人は、せいぜい全体の1割程度。残りの9割の日本人には、英語なんて要りませんね。英語が「できない」のではなく、そもそも「要らない」のです。
僕は、たまたまマイクロソフトの日本法人で社長をやっていましたが、もともと英語ができたわけではないし、コンピュータに興味があったわけでもありません。
だからマイクロソフトで実際に外国人とやり合うようになったときは、彼らの話している英語の99パーセントは理解できませんでした。かろうじて理解できる1パーセントは、商用名とビジネス用語だけ。
でもね、逆に考えると、上司の言ってることなんて、そんなに深い内容じゃないんですよ。仕事中に人生を語るような時間もありませんからね。商品名のほかに出てくる単語は、売り上げだの経常利益だの人件費だの、いつも同じことばかり。
そうやって単語を拾っていくコツさえ覚えたら、ビジネス英語は半年から1年で一定レベルまでいけます。
外資系企業で働く日本人は、みんな英語ができる。英語ができないと外資系では仕事にならない。そう思っている人は多いのではないでしょうか。
これは大きな間違いです。外資系で本当の英語力が求められるのは、本社の上層部と直接やりとりする経営陣、せいぜい3パーセントくらいのもので、残りの97パーセントには英語力など求められません。
実際、僕のいたマイクロソフトでも、部長クラスあたりまではみんな英語がへたでした。だって、日本の地で日本人相手に商売するために雇っているわけですからね。英語ができたところで、なんの得にもならない。
さらに、国際競争力を持った優秀な中小企業の経営者たちは、採用の段階では英語力なんかまったく気にしませんね。過去の経験から「英語も中国語も、現地に送り込んだらすぐ覚える」と知っているからです。
じゃあ、いったいどんな経営者が「これからはグローバル化の時代だ! 英語のできない新卒はいっさい採るな!」と言っているのでしょうか?
海外進出する意味もわからないまま、ただメディアの情報に流されて感情的になっているだけの経営者です。きっと本人も中途半端な語学力しかないし、仕事をするうえでどんな語学力が必要になるかもわかっていない。もし僕が就活中の学生だったら、そんな企業なんてこちらからお断りしますね。
特別講義1時限目 英語はいつから学び始めるべきか より抜粋